・■第164話「さよなら、またね」
・「指宿くんが、まだ日本にいる?」
・「今になって思い出したんだけど……あの時、江火野が針摺さんに指宿くんはまだ日本にいますよね? って聞いたら、
 『このお屋敷にはいない』って言ったんだよ。江火野の問いに『いいえ』とは言わなかったんだ」
・「そういえば……そうだったような」
・「そして、指宿くんはお母さんのもとに向かったと言った。お母さんは海外で日本の物を売ってるバイヤーをやってるって以前聞いたことあるから、
 もしかすると指宿くんはお母さんに同行していて、まだ日本にいるんじゃないかって……」
・ア_グレードディテクティブ_オブ_タロウは整然と凛々澄の行方についての推論を述べた。
・「てわけで、針摺さんに会って確かめてくる」
・凛々澄の行方を追って。タロウは着の身着のまま出かけ……というところで、背中に上着がかけられる。
・「そんな格好で行ったら寒いよ」
・だから……みんなも全裸でネタバレ待機なんてやめようぞ。
・「ほら、マフラーも」「サンキュー」
・芽衣はやっぱりお姉ちゃん。タロウの見送りは任せて下さい。
・「……手袋は……」
・でもその一言だけは、少しだけ目を逸らしながら。
・伏線消化がナイスな峰浪先生に励ましのお便りを贈ろう。日本じゃ手紙は"信"なんて書かねえよ。
・「ポケットの中にある。……使っていいか」
・「当たり前でしょ、あんたにあげたものなんだから」
・……一瞬だけ、間を置いて、いつものタロウとのやりとりを心がけた。

111名無しさんの次レスにご期待下さい2019/03/04(月) 22:14:01.88ID:Up1El45j
・「……江火野」
・初めて通した手袋。
・「お前のお陰でイヴが……いや俺が目を覚ますことができた。ありがとう」
・本当に欲しかったのは、ありがとうの言葉じゃなくて。「タロウ、凛々澄を必ず連れて帰ってきて」
・「あたし、凛々澄に言いたいこといっぱいある」
・「怒ってるのよ、あたし。全部自分でなんとかしようとして……あたしのこともだまして……」
・「自分の気持ち、ちっとも話してくれなくて……友達になろうって言ったのに、こんなの全然友達じゃないじゃないって……」
・「……だけど、そういう生き方しか知らないんだと思う」
・「一人で誰にも言えない恐怖や苦しさに耐えながら秘密を抱え続けて、独りぼっちでずっと戦ってきたのよ、凛々澄は」
・彼女が歩んできた苦難は、タロウも目に浮かぶようだった。
・「あんた以外に誰があの子を救えるのよ?」
・「……わかってる。必ず、"彼女"を連れて帰ってくる」
・そう、その一言が聞けて安心だと、芽衣は笑みを零した。
・「……うん、待ってる」
・タロウ、いざ八女家へゆかん。
■あと三話、市原武法も富士鷹ジュピロもねこぐちも息を呑んで見守るクライマックスへ!

112名無しさんの次レスにご期待下さい2019/03/04(月) 22:14:34.78ID:Up1El45j
・気持ちよくタロウを見送れただろうか。だけど、どうしても、この気持ちは心の中で渦巻き続ける。
・芽衣は、タロウを追って飛び出す。
・「待っ……」
・開けた扉の先で、同じくらい悔いを残したタロウと相対する。「江火野……俺……」
・「あたしね、」
・言うのは私だ、と言わんばかりに。
・「あんたが急にどんどん変わっていくから、つられるみたいにあたしの心も変わっていったの。でもそれはイヴちゃんのせいだったんだね」

だったらそんな、あたしの知らない女の子のせいで変わったタロウなんかに、
あたしの大事な気持ちは伝えられない。
あの時、言わなくて良かった!

・笑顔で言い切りたい。涙で何も言えなくなってしまう前に。
・「さ、急いで!」
・そんな顔するな、タロウ。あたしなんてほっといて、前向きなさい。そんな意志でタロウの足を強引に前に進めさせる。
・「……言わなくていい」

江火野のその純粋な気持ちは……
本当に綺麗で大切なものだから、
いつかのためにとっておいてほしい!

113名無しさんの次レスにご期待下さい2019/03/04(月) 22:14:55.00ID:Up1El45j
・舞台は八女家に移り、タロウは執事の針摺と相対する。
・「タロウ様、私は何も言わないようにリリト様から仰せつかっております。ですが、今から早退を申し出るのは可能です。私は急に海が見たくなりました。ドライブに付き合いますか?」
・半ドンするという針摺は、タロウにドライブデートを申し出る。
・「はい!」
・「では準備をして参りますのでしばらくお待ちください」
・眼鏡の奥は光る。ナイス執事さん、いっつも顔がコピペとか言ってごめんなさい。
・「イヴ、やっぱり指宿くんはまだ日本にいるんだ!」
・「うん!良かった……!」
・「海って……どこかの海の付近にいるのかな、指宿くん」
・たわいないこれからの話。だけどそれは突然に。
・「タロちゃん、本当のイヴちゃんによろしくね」
・「……え?」
・「ワタシ、待ってる」
・「な、何言ってんだよ……⁉」
・「タロちゃん。ワタシは失恋ゾンビなの。だから指宿くんに対して、どうしても黒いキモチがここにある。このカラダで指宿くんには会えない」
 会えばまた嘘をついたり、彼女を傷つけるようなことをしてしまうかもしれない。それだけはもうしたくない。
 それにワタシがいたら、ちゃんと二人で向き合えないでしょ? だからタロちゃん。あなたは一人で彼女のところへ向かうの」
・「で、でも……」
・「大丈夫! 何が起きてもワタシは一人で消えたりしない! その辺の初恋ゾンビと一緒にしないで!
 だって、ワタシもまた会いたいもん。本当の姿になったイヴと……」
・それがイヴの願いごと。
・【てゆうか、もっとひどい初恋ゾンビになる可能性もあるんだからね】
・「え"……」
・ホントニ タノンダヨ タロチャン
・「ま、まあそうだけど……」
・「なんて冗談(ΦωΦ)フフフ…」
・「お待たせ致しました。では参りましょう」「あ、はい……」
・『イヴ……やっぱ性格ちょっといじわるになってるな……(-_-;)』
・兎にも角にも、あと三話。八女家が半休も許さないブラックじゃなくて良かった。
・「ワタシ、信じてる」
・イヴはタロウを信じて、そう見送った。
■次号、大増ページ

꼴에 완결이라고 증페이지를? 그 전에 4화 남은 상태에서 1화 다 쓰고 보지도 못 하다니